第14回【Captive(キャプティブ)】

今回は、再保険子会社「Captive(以下キャプティブ)」についてご紹介します。

(1)キャプティブとは

・キャプティブとは、企業・企業グループがその子会社として設立する、自社および自社グループのリスクのみを引き受ける再保険会社です。
・設立可能である海外の軽課税国に設立され、多くはペーパーカンパニーの形態をとります。
・主な設立地は、英領バミューダ、カリブ海地域、シンガポール、ハワイ、ミクロネシア等です。
・日本企業では海運会社、大手メーカー、総合商社等の約70社がキャプティブを保有しています。

(2)設立目的とメリット

主に以下4点が挙げられます。

○キャッシュフローの強化
→元受保険会社に支払った保険料と、元受保険会社がキャプティブに支払う再保険料の差額を
収益とすることで、キャッシュがたまります。

○保険化が難しいリスクへの対応
→特殊リスク等、通常の手法では欲しい内容の保険カバーを手配できないため、自前のキャプ
ティブを設立することにより、企業と保険会社がリスクを分け合い、保険化が困難であった
リスクをカバーすることができる場合があります。

○再保険マーケットへのアクセス
→キャプティブも改めて再保険を手配するため、国際的な再保険マーケットにおける情報を
入手することができます。

○リスクマネジメント機能の強化
→キャプティブにおいて、自社グループのリスク管理を一元化することができます。
日系企業における主な設立目的となっています。

(3)全体像