第04回【貨物海上保険の保険求償】

4回目の今回は、『海上保険における保険求償』についてご説明します。
まず、海上保険おいては、「輸入時」と「輸出時」という貿易形態で、また貿易条件においても保険求償の窓口が相違します。

(1)輸入時の保険求償

貿易条件がFOBやFCAのように、海上保険を双日が付保しているケースでは、双日インシュアランスにご連絡頂くことで円滑な保険求償が可能となります。しかし、CIF輸入のような貿易条件の場合、海外の保険会社であったり、保険証券記載のクレームエージェントが窓口となるため、実際の保険求償でトラブルになることが御座いますのでご注意ください。下記は、FOB等の貿易条件で双日インシュアランスで付保されているケースでの保険求償フローをまとめたものになります。

(2)輸出時の保険求償

通常、危険負担が輸入者に移転したあとの事故であれば、被保険利益も輸出者から輸入者に移っているため、海外の輸入者により保険会社の現地法人や支店、または保険会社の指定する損害査定代理店にクレームの手続きを行なう必要があります。一般的には、証券上に仕向地の損害査定代理店の連絡先が記載されています。また、なんらかの理由により、輸出者が日本で保険金の支払を受けたい場合には、輸入者よりの委任状が必要となります。